「お前、小さいよなァ」


「へ?」


街を学さんと二人で歩いていると、いろんな人が振り返る。


男の人も、女の人も。


学さん、綺麗な顔してるから…。


あたしなんかが隣を歩いていてもいいのだろうか。


「学さんが高いんだよ?」


「…そーか?普通だぞ?」


「普通じゃないってばぁ…」


絶対学さん180cmあるよね?


あたしは155cm。


小さいほうといわれれば、小さいほうかもしれないけど、そんなに小さくない…と、思うんだけど。


学さんの歩調は速い。


あたしは学さんが歩いているのにもかかわらず、小走りしている状態。





「ねぇ~、あたしたちと一緒に遊ばない?」






あ…。


前を見ると、綺麗なお姉さん3人が話しかけてきた。…もちろん、学さんに。


学さん、やっぱりもてるんだ。


彼女とかいないのかな。


あたしが一緒に住んでいると、彼女さんに悪いよね。




掴んでいた手の力を、少しだけ、緩めた。