「好きなの、選んでいいぞ」
そう言われても…、
携帯の選び方なんて分からないし、
第一、何をどういう風にしていいのか、分からないよ…。
…あっ。
「学さん、学さんとお揃いが良い!」
うん!それがイイ!!
学さんとお揃いだったら、嬉しい!
「俺…と、一緒でいいのか?もっと新しい機能の奴とか…あるんだぞ?」
驚いた顔をしてあたしを見る。
「学さんと一緒がイイ…」
ダメ、かな…。
迷惑かな?
「…嬉しいこと、言うじゃん」
クシャっと頭を撫でて、学さんは一つの携帯を手に取る。
「この色、だな」
そう言う学さんの手には、白のベースにピンクの桜のマークが入ったヤツ。
…可愛い。
「はい、葉奈」
「わ、ありがとうございますっ」
素直にうれしかった。
あたしだけの、携帯。
学さんとお揃いの、携帯。
…自然に顔がほころんでく。
「ありがとう、学さん」
笑顔に、なる。

