アイツの顔が頭から消えない。
「…ぅ…」
頭が、痛い。
「葉奈?葉奈っ」
学さんが身体を揺する。
ちょっとだけ、動揺してるね、学さん。
冷え切ったような感覚の身体を起こす。
「起きてた、のか?いつから……」
「つい、……さっき…」
だから、何も聞いてないよ?と言いたいのに、喉が締め付けられて声が出ない。
無理矢理笑顔を張り付ける。
「…」
学さんは無言であたしの頭を撫でる。
その瞳はどこか、寂しげだった。
――ごめんなさい…
声が、出ない。
また、捨てられるかもしれないという恐怖が襲ってくる。
息ができなくなるような、苦しさ。
何なんだろう、
学さんと出会ってから、
感情が、
芽生えた気がする。
なんという、名前の、感情だろうか。
New feeling.
(新しい 気持ち)