「…学さん、そんなに見られると、食べにくい…」


「あ、ああ…、悪ィ。どうだ、美味いか?」


微笑んであたしに聞く。


学さんにそんな顔されると、なんか、胸があったかくなる。


「うん。おいしい…」


「ホントか!?良かったー!コレ、メニューに入れよー」


…入ってないの!?


さっき学さん、普通に「オムライス」って、言ってたよね!?


え?コレってもしかして…


メニューにないのに、作ってくれたものなの?


嘘、すごくおいしいんだけど…。


で、でも…量が、多い…。


「学、葉奈ちゃんと一緒に住んでるの?」


さっきとは裏腹に真面目な顔をして学さんに言った、優さん。


ハッキリとした二重の瞳がスッと細められる。


「…住んでるっつーか…、イヤ、住んでは、ない…かも」


――ズキっ


な、何だろ。


やっぱり…、学さんも…あたしのこと…。


胸が苦しい。


胸が痛い。


「…っ」


「は?住んでないわけ?」


優さん、もう、聞かないで…。


それ以上、学さんの口から言葉が出るとあたし、もう―――…、