「ん?あれ?…この超可愛い子は?」


…お世辞もうまいな。


思ったより目が鋭くて、思わず学さんの背中に隠れてしまった。


ごめんなさァい!


「怖がられてやんの」


学さんが面白がったようなからかったような声でその人に言う。


「…地味にショック」


うわぁ!ごめんなさァい!


本当に、ごめんなさい!!


「葉奈、コイツ、俺のダチな。ちなみにここのマスター。高いもの頼んでいいぞ。コイツがおごってくれるから」


え?そうなの?


「ぅおい!学!俺、一応マスター!バイトの子に示しつかないよ!」


…そりゃ、そうだ。


「大丈夫だ。心配するな。バイトなんか2人しかいねぇだろ」


「学君、それを言っちゃぁいけないよ」


「示しをつけたいなら、その身なりをなんとかしようか」


「…スキナオセキニドウゾー」


「仕事しろよ」


な、なんか…。


「ハハっ」


笑える。


自然と、笑みがこぼれる。


「…葉奈」


「ヤバ。めっちゃ可愛かった。つか、葉奈ちゃんっつーの?背ぇちっちゃいねぇ」