「…葉奈…」 膝に力が入らなくなって、床にくずれ込もうとした時に学さんの大きな手で支えられる。 喉が、痛い。 「お前は、人間だ」 …? 知ってますけど…。 「お前は、物か?」 学さんの顔を見上げる。 涙が邪魔して視界がぼやける。 「お前の話を聞いていると、自分のことを物として、と思ってないようにしか聞こえない」 …もの…。