「学さん、ごめ、―――ぐっ」 ちょ、ちょちょちょちょちょ!? が、学さん!! どうしてあたしの口をお塞ぎになっていらっしゃるのでしょうか!! 「やめてくださ、」 ベリッと学さんの大きくて温かい手を引きはがす。 「――――葉奈」 低くて、それでも優しい声。 だからかな。 こんな声をかけられたことも、聞いたこともないからこんなに安心しきった気持ちになっちゃうのかな。 …なっちゃう、のかな…。