何言ってんだ、そう言うような表情であたしの名前を呼んだ学さん。
…その表情は気のせいかもしれないね。
この過去を聞いた人が、今までどおりに接してくれるわけがない。
そんな人をたくさん見てきたんだから。
だからあたしは過去を隠し続けてきた。
こんな形で学さんにバレルなんて…
「あたしさー、あなたの事件。取材してたのよ」
…え?
「6年前だっけー?懐かしいねー。あたしそのころ新人でサぁ。ほとんど雑用扱いだったんだけど、その事件のおかげで大きな仕事任せてもらえるようになったの。」
「……」
「ありがとね」

