「葉奈、いるのか…!?」


「お、とう、さん……」


アイツが、現れた―――――――………


「今まで何処に行ってたァ!?探したんだぞ!?分かってんのか、オマエ!!」


助けて、


「俺を裏切ったのか!?あぁ!?」


助けて、


「お前は一生、俺の手下でいればいいんだよ!!」


たす、けて…



アイツの手が振り上げられる。


殴られる―――


恐怖を、もう一度、見るのだ――――………


鈍い痛みが頬を走る。


でも、携帯だけはぎゅっと握りしめて。


学さんが助けに来てくれるんだ。


学さんが来るから、その前に…


コイツと学さんを会わせるわけにはいかない―――




――ピンポーン


インターホンが鳴る。


…ダレ……


目の前にいる人物も、その音に動きを止めた。


――ガチャ


玄関が開く。


「…誰だ!!」


男が叫ぶ。


…返事は、ない。