「ハッハッハッ…」


身体が重い、瞼が重い。


今にも、倒れてしまいそう――……


「……が、くさん……」


‘‘あるところ’’に向かっているあたしの足は、今にも崩れ落ちそうで。


行きたくないのに、行かなければいけない。


あたしの足取りは、とてつもなく重い。


…見えた…。


――SAKURAGI――


二度と来たくなかった、我が家。


…アイツがいたら、どうしよう…


どうしよう


どうしよう


どうしよう……。


頭の中にグルグルグルグル…


「…あたしを、助けてね…学さん……」


口から無意識に出た言葉にあたし自身も驚いた、けど。


本心だから…学さん。




ドアノブに、手を掛けた。




――ぎぃ…


カギは開いている。


でも、人がいる気配は全くない。


…アイツは、いない?