――学SIDE――
葉奈をベッドに寝かせて部屋を出る。
当分起きないだろうと予想して、俺は家を出た。
向かうは、優の家―――――――――。
【coffee Café YOUNG】
一周年記念とか言ってたし。
茶色のドアを開けて中に入る。
――チリンチリン、と鈴の音がした。
店の前には【close】と出ていたので、多分さっき来た時言った通り今日は店をやってないんだろう。
「すいません、今日は―――――、…学」
優が店の奥から出てきて、俺を視界にとらえる。
「…よお」
右手を挙げて、いつも座っている席に座る。
「おい、葉奈ちゃん。大丈夫だったのかよ」
「ああ。肺炎の一歩手前。危なかったけど」
マジであんときはビビったわ。
他人にあんだけ気を張ったの初めてだっつーの。
「…なぁ、葉奈ちゃんの父親…、やっぱり」
優が本題を切りだす。
そうだ。
その話をしに俺はここに来たんだから。
美羽が奥から出てきて俺の前にコーヒーだけ置いて再び中に入っていった。

