「行かな…い」
最後には消え入りそうな声で呟いた。
「どうして…」
そんなに拒む？と聞こうとしたけど、この葉奈の様子からしたらこれ以上問い詰めても逆効果だろうと思った。
「…よし、じゃあこうしようか、葉奈」
「…え…？」
紅潮した頬で俺の顔を見上げる。
「俺の知り合いが病院経営してる。そこなら大丈夫だから」
何が聞かれたらまずいのかは知らないけど、どうしても病院には行かせたい。
そう言ってみても葉奈は頑なに拒んでいる。
何がそんなに嫌なんだ…。
何にそんなに怯える必要がある。
アイツか？
アイツ絡みなのか？
「…俺の知り合いだ。信用しない手はない」
最後のとどめの一言。
それ以上、お前が暴れると熱が上がる。
「……ハァ……」
