「見て見て!
なんて可愛い花だろう!
君にプレゼントするよ!」


僕が花を君に差し出すと
君はにっこり微笑んで花を受け取ってくれた。


そして頭を少し下げた。
『ありがとう』の意味だろう。


僕は「どういたしまして」と返した。



彼女は声を出せない。
もちろん病気だけれど、詳しい事は
僕にもわからない。
話すと長くなるとゆう事で、彼女は教えてくれなかった。


彼女と会話するときは
スケッチブックとペンが必要だ。

彼女は絵を描くのが上手で、僕の似顔絵を描いてくれた事もある。


そんな彼女といるのは
僕にとってなんとも言えない心の救いだった。