「もう、やめなきゃ…ね。」 ベランダで夜風に当たりながら、一人呟いた。 拾ってくれる人のいないそれは、風にさらわれて闇に溶けてった。 街灯に群がる蛾を見て、 ―私は綺麗な蝶にはなれないな。 なんて、自嘲気味に笑う。 いつか、蝶になって陽の光の中… 貴方の元へ飛びたい。 私は夢見る蛹。 叶わない、夢。