服をどうしようかと散々悩んだ末、恥をしのんで夜着のまま下に降りた。


「あのっ!おはよう、ございます………」


恐る恐る居間の戸を引き、ちょこんと顔だけを出して挨拶をする。


声が小さかったため、はたして聞こえているのだろうかと瞬間不安に思ったが、すぐにドデカい声が返ってきた。


「あら、お嬢ちゃん起きたのかい?おはようさん!とりあえず顔洗っといで~」


台所からぬっと手だけを突き出し、洗面所の方向を示す。


「ありがたく使わせていただきます!」


ぺこっと律儀にも小さく頭を下げてぱたぱたと洗面所へと向かった。


「失礼します」


一応礼儀なので戸を開ける前に確認する。


「んー」


どちらとも言いにくい声が聞こえ、リリアは少々戸惑った。