お嬢様、家出しちゃいます!




ーーー…



「無事にたどり着けたのですね」


リリアが意識を手放してしばらくして、居間には別の人物の声が響いた。


「あぁ、一時はどうなることかと心配したけどね。今は安心しきってすやすや寝てるよ。まぁ、座りなよ」


その人物とは以前から親交があったのか、リリアを寝室に運び終わった虎子が親しげに答える。


「ところで、詳しく状況説明はあるんだろうね?あんたはどうせ全部見ていたんだろ、如月」


「やはりお嬢様からはおっしゃらなかったのですね。いいでしょう。その代わり、このことは一切他言無用ですよ?」


「分かってるよ、そんなこと」


如月が念のために釘を刺したが、そんなこと分かりきったことだった。


一応確認したうえで、如月は事の詳細を全て虎子に話した。