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「無事にたどり着けたのですね」
リリアが意識を手放してしばらくして、居間には別の人物の声が響いた。
「あぁ、一時はどうなることかと心配したけどね。今は安心しきってすやすや寝てるよ。まぁ、座りなよ」
その人物とは以前から親交があったのか、リリアを寝室に運び終わった虎子が親しげに答える。
「ところで、詳しく状況説明はあるんだろうね?あんたはどうせ全部見ていたんだろ、如月」
「やはりお嬢様からはおっしゃらなかったのですね。いいでしょう。その代わり、このことは一切他言無用ですよ?」
「分かってるよ、そんなこと」
如月が念のために釘を刺したが、そんなこと分かりきったことだった。
一応確認したうえで、如月は事の詳細を全て虎子に話した。

