「結構長い間やってたんだけど、結婚と同時に辞めて、それからは普通に過ごしてたんだけど…」 そこで区切ると、虎子の目はいたずらっぽくリリアを見た。 「あんたの父ちゃんが久しぶりに連絡寄越したと思ったら、自分の娘の面倒を見てくれと泣きながら言ってきたんだよ」 堪えきれないとばかりに虎子は盛大に笑い出した。 リリアは自分の目がこぼれ落ちるかと思った。 (お父様ったら、何もしないでってお願いしましたのに!) 虎子の笑いが収まるのに対して、リリアの頬はぷくっと膨らんでいく。