お嬢様、家出しちゃいます!




「実は、あたしはあんたの父ちゃんのとこで昔秘書をしていたんだよ」


「えぇ!?」


リリアは思わず大声を出してしまい、慌てて口を両手で押さえた。


虎子には申し訳ないが、彼女の体は曲線美という言葉とは程遠い肉付きをしていた。


リリアの記憶の中では、秘書と言えばモデル並にスタイルが良い人しか思い浮かばない。


「ほんと、あんたって分かりやすいね。言い訳臭くなるけど、当時はボン、キュッ、ボン!でモッテモテだったんだよ」

そう言った虎子の目は昔の自分を懐かしむようだった。


「すみません…」


リリアはまたしゅんとなった。


「いいさ。この話をすると、みんな驚くからね」


虎子は別に気にした素振りも見せず、続きを語り出した。