自慢ではないが、小夜は思っている事がとにかく顔に出る。

鋼の如き口の堅さを誇る彼女だが、それでも友人達とコミュニケーションがとれているのは、このバレバレの嘘をつけない表情の為である。

当然龍太郎の見舞いに行く事も簡単にバレ、一人第三次世界大戦の異名をとる元気娘や愛され体質の先輩、かの『皇帝』の弟君や男の娘先輩にからかわれつつ、小夜は彼らにそれとなく応援されてしまった。

「小夜ちゃんは押しが弱いんだよ!」

「そうそう、女の子から積極的になってもいいんだよ?」

「あの朴念仁じゃあ仕掛けねぇと気づかねぇからな」

「何なら恋愛成就の護符あげようか?」

随分好き勝手に言ってくれる。