そこまでの覚悟を決めた時だった。

「も…もういい加減にしてくれねぇか…俺、熱が上がってきてんだけど…」

龍太郎がベッドに突っ伏して掠れた声を出す。

その事に気づいて振り向く雛菊。

「あー…もう…」

ペシッと自分の額を叩き、彼女は小夜を見た。

「悪いけど決着はまたの機会って事にしてくれない?『弟が』ノックアウト寸前だから」