このままでは決着がつかない。

ほんの少し痛い目に遭わせようと思っていただけの両者だが、これでは本気を出して倒しにかからざるを得ない。

まさしく龍太郎を巡っての修羅場。

両者とも武道の心得があるだけに始末に負えない。

下手をすれば命のやり取りになるのではないか。

しかし小夜の龍太郎に対する想いは半端なものではない。

(こうなったら…)

小夜はギュッと拳を作る。

(あの雛菊さんに大怪我させて、私が退学になるとしても…!)