一磨は梨紗を抱えて車から降りた


ピンポ~ン♪


武:「どうぞ。」


一:「お邪魔します。」


武:「一磨君は大丈夫ですか?」


一:「えっ…?」


武:「誰にも失敗はありますからね。葛木のように穴にはまって骨折、とか(苦笑)」


一:「取り敢えず寝かせて来ても良いですか?」


武:「じゃあ、こっちの部屋で。何かあった時に直ぐ駆け付けられるので。」


一磨は武山に案内された部屋に梨紗を寝かし、リビングに入った


武:「何があったのか教えて貰う前に会った方が良い方がいらしてるんです。」


ソファーに座っている人が一磨にジェスチャーで座るように促した


一:「失礼します。
初めまして伊藤 一磨です。」


良:「初めまして、武山 良彦[ヨシヒコ]です。現若名財閥副社長を務めさせております。

で、お嬢様に何が?」


一磨は今日のことを話した


良:「…斎藤、ね。
で、一磨君はお嬢様を捨てるのか?」


一:「捨てません。二度と離しません。」


良:「捨てたら只じゃ置かないからね。
卒業式前にまた会おう。樹またな。」


武:「お気をつけて。資料ありがとうございました。」