一磨は葛木の手を掴んだ


葛:「梨紗様を追い込んだんだ、死ねよ。」


葛木は鳩尾を押す膝の力を強くした


一磨から苦しげな声が漏れた


葛:「自殺っていうのはな、殺されるよりも怖いんだ。わかってんのかよっ。」


葛木は立ち上がり一磨を蹴っ飛ばし、梨紗の部屋に向かった


葛:「失礼します。」


葛木が部屋に入ると、梨紗はまだ寝ていた


葛木はパソコンの画面を確認する為に部屋に入ったのだ


読み終えた葛木は眠っている梨紗の隣に座った


葛:「…最後の最後まで。俺は“自分の為に生きろ”と言ったんですよ。」


葛木は梨紗の頭を撫でながら言った


梨:「……んぅ、優さん?」


葛:「すみません、起こしてしまって…。」


梨:「大丈夫だよ。お帰り、優さん。」


葛:「…すみません。」


葛木は梨紗を抱き締めた


梨:「優さん?」


葛:「ご無事で良かった…。一磨の為ではなく梨紗様自身の為に生きて下さい。」


梨:「うん。ごめんね。」


葛:「…暫く一磨から離れて下さい。一磨には反省させなきゃいけません。」


梨:「…………。」


葛:「今の一磨には任せられません。
暫く一磨と話してきますので部屋で待ってて下さいね。」


葛木はリビングに向かった