リビングに戻り、暫くして一磨の目にケータイが映った


再び梨紗の部屋に行き、苦しそうにしている梨紗を眼中に入れず自分のケータイから梨紗のケータイに電話し、梨紗のケータイを回収した


一:「あの男にでも助け求められたら終わりなんでね。」

ガチャン


一磨は梨紗の部屋を後にした




その頃梨紗は、昨日のことを話せば良かった、と涙を流し迫りくる媚薬の辛さに気を失いそうにいた



暫くして媚薬が切れた


梨紗は一生懸命に手を動かして紐を解き目隠しを取って、近くに置いてあるパソコンに手を伸ばし、文字を打ち始めた



その頃、一磨は縁側に座り静かに涙を流していた


少しして一磨のケータイが鳴ったので電話に出ると、健樹からだった


一:「…はい。」


健:「大丈夫か?」


一:「…ゴメン、今は誰とも話したくない。」


健:「一磨、今萌から昨日のこと聞いたんだ。梨紗ちゃんは浮気してない。
萌に代わるな。」


萌:「メガネ?
昨日見た男ってうちの1番上のお兄ちゃんだよ。2人ってことはお兄ちゃん結婚してて子供いるのね、今諸事情あって家にいるんだけどさ。子供が御手洗い行きたいって言ってうちが連れてったから運悪く2人の時に遭遇したのかも。」