「...笙は...
笙は、あたしのこと
もう好きじゃないから...」
屋上の中では、もう俺の話ではなく
笙の話になっていた。
あ、笙が言っていた“ケンカ”のことか...
...と、俺は1人で納得しながら聞いていた。
弱々しい哀川の声...
哀川って、こんなに弱かったっけ...
...そしてほんとか、と聞くように
笙の方を見ると、ぶんぶんと“違う”と言っていた。
続けて聞こえてくる弱々しい哀川の声。
「色んな噂...きくんだよね
キス、してたとかっ...
付き合ってる、とかっ...」
...笙...最低じゃん...
俺は笙を睨んだ。
そして笙は、小声で「俺やってねーよ!」
と言った。
...じゃあなんでこんなこと哀川が言ってるんだよ...
...もしかして、哀川誤解してんじゃねーの。
誤解なのか?と笙に聞くと、
「あたりまえだろ!」と本気で怒られた。
...だよな。
あいつ、遊び人だったけど哀川と出会って変わったもんな。
