「カルロスはよく来るの?」 「まぁ、家が近所だし?」 「いいなー!羨ましい」 「どうしてそんなに羨ましがるの?」 「あれよ」 私は丘の先にある宮殿を指差した。 「アルハンブラ宮殿。私達にとっては聖地なの」 「へー!知らなかった」 「あら、意外ね」 私はクスクス笑った。 彼も人懐っこい笑みを浮かべた。 それが私と彼の出会いだった。