そこには十字架のネックレスが入っていた。

だけど何故か血がついている。


「カロリーナとかフロレンシアにももらってくれないかって聞いたのに誰も引き取ってくれないんだよね」


「そりゃあそうでしょ」


「しかもその血、拭いても取れないんだよね」


「……呪われてるの?」


「それはない!!……だからさ、引き取ってくれない?」


私はネックレスを見回した。

特に変哲もないネックレスだが、何故か懐かしさを感じた。


「……いいよ」


「本当に!?」


「うん!だけど……」


「?」


「今日アイスおごってね」


私が笑顔で言うと彼は人懐っこい笑みを浮かべた。



アンダルシアの空は今日も青かった。