「あ……!トゥーニャ!!」


見付けた。
私は彼の元へ走った―――


どこからか風を切って何かが飛んでくる音がした。
その直後、腹部に感じる激しい熱さと痛み。


「うっ……!」


私はその場に崩れ落ちた。


「マズイ!!」


彼がダッシュで近寄ってきた。

目の前が赤い。
そっとお腹へ手を持っていくと、温かい液体が流れていた。

もう自分じゃどうする事もできないのを悟った。

彼が私の体を少し起こした。


「カルロス……」


「喋らないで!」


顔に落ちる冷たい水。
彼が泣いているのが分かる。


「ごめんね……今までありがとう……」


喋る度に口の中で鉄の味がする。

痛い。
寒い。
涙が溢れてくる。