最近、気付いたかもしれない事がある。
僕はきっと、
彼女達の才能に憧れたんじゃなく、滲み出る程の自信に憧れているんだ。
全てに真っ直ぐで、全てに幸せを見つけられる強さに憧れているんだ。
僕もそんな風になれれば、彼女との距離ももっと――――
「そうだ、折角だから占ってあげるわ」
深幸さんが、馴れた手付きでタロットカードを取り出した……
のだけど、何故か一枚だけ、彼女の手から滑り落ちてしまう。
「あらやだ、私ったら」
背中に冷たいものが走った。
そのたった一枚のカードの表に描かれていたのは、死神だったから。
そしてそのカードから、あの人を思い浮べてしまった自分の事が、どうしようもなく怖くなった。