「ねぇ田中くん田中くん!」
「田中君て因幡先輩と仲良いよね!」
「えっと、いや、別に仲が良い訳じゃ―――…」
「実はさぁ、今年の文化祭のメイド喫茶で看板メイドになる子を探してるんだけど……」
「是非とも“うさぴょん”に!看板メイドをお願いしたいワケ!」
「実は他にも何人かの女子に声掛けてみたんだけど、皆断られちゃってさ〜」
「頼みの綱はもう、“白兎の君”しかいないのよぉ」
「だからさ、田中くん、舞白先輩に頼んでおいてくれない?」
「あの、だから、僕は―――…」
「「「それじゃあお願いねぇ〜」」」
田中啓太の言葉をことごとく遮り、彼女達は言いたい事だけ言って去って行った。

