広瀬が不機嫌になったのは、私がベラベラと喋りだしてからだ。


あーゆう場合は何も触れずにいるのが普通だったのか?



「だめだ、広瀬の怒る理由が分からん…」


1人ベッドに倒れ込んで呟く。


「ねーちゃん何?独り言?」

気持ち悪がりながら弟の愁(シュウ)が部屋に入ってきた。



「ちょ、失礼ね!てか、何勝手に人の部屋に入って来てんの!!」


「んー、漫画借りに来た。貸して。」



「はぁ、それが人に借りに来る態度?まぁ、適当に持っていって。」


「さんきゅー、あ、ねーちゃん。」


「何?」


「彼氏と喧嘩したからって落ち込むなよ!」


こいつ!
広瀬との一連のやり取り見てたんかい!!


「彼氏じゃないっての!!」


「へいへい、」


人の話を聞かんかーっ!!


そのまま出ていってしまった愁に呆れる。



明日の学校でヒロ君にでも相談するか…。








────…



「ちょ!奈絃ちゃん!!朔が怖いんだけど!」



朝イチからヒロ君に助けを求められる。


が、悪いけど私じゃ助けらんないよ。




「ごめん、多分それ…私のせいかも。」



「えっ!?何かあったの??」



「うーん…それが……」



毎度毎度心配してくれるヒロ君に対し、リッカは面白がって聞いてくる。



「何何??またなんかやらかしたの、2人で?」



「ちょ!また、って何?そんな頻繁に事をややこしくしてません!!」