ひ、広瀬じゃん…!
たんなる広瀬違いじゃない!
広瀬だ!!
「悪ぃけど、アンタと付き合う気ねーよ。」
うっわ、きつ…。
予想通り、告白した女の子は黙って走り去っていった。
「……」
私は黙って突っ立っていた。
フラれるって、皆あんな感じなんだ…。
今だ告白も経験なしの私にとって、生の現場は衝撃的だった。
あんなに厳しいものか。
「おい、いるんだろ、奈絃。」
なぜ私の居場所がわかったのか、1人になった広瀬は真っ直ぐこちらを向いている。
「……」
完全にバレてる…。
「奈絃、早く出てこねぇと…」
「は、はい…」
広瀬の声のトーンが低くなる前に
仕方なく白状することにした。
「盗み聞きするとはな…」
「あ、あのですね…これは……」
「………」
「ごめんなさい!ごめんなさい!私が悪ぅごさいやした!!」
「反省の態度が見れねぇな。」
「そ、そんな!全力で反省してますよ!!」
「さっきの見てたよな?」
「すいません。バッチリ見ました。」
「感想。」
「…はい?」
「感想は?」
感想は…って、何を求めて私にそんな事を言うんですか!!
「告白とはあんなに厳しいものか、と…」
「は…?」
「いや、だから…可哀想というか、少しきついような気が…」
「………」
私がしゃべる度にみるみる機嫌が悪くなっていく広瀬。

