辛口男子の甘い言葉


パシャン!


とっさに伸ばされた広瀬の腕に肩を支えられて、頭ごと水はかぶらなかった。


「…っぶねーな。」


広瀬の声が耳元で聞こえて視線を上げる。




う、うわ…!!

顔、近すぎ!!!




「あ、ご、ごめ…」


「…お前、顔真っ赤。」


そう言って広瀬はフッと笑う。

そのフッとした笑い方が納得いかなかった私は、悔しくて広瀬の腕を引っ張った。



「ちょっ、おま、ふざけ…!」



バッシャーン!



変顔でプールに落ちた広瀬。


私は可笑しくて笑った


が。




「プハッ!ゲホ、ゲホッ…ゴホ!!」


広瀬は直ぐに顔を出してプールの壁に捕まる。


気管に水が入ったのか、仕切りに咳を繰り返す。



「えっ?広瀬っ!」

もしかして、やり過ぎた!?


慌てて私は広瀬が楽になれるよう背中を軽く叩く。



しばらくして咳が治まると、広瀬は軽く私を睨んできた。



「何すんだよ…あ?」

「ほんとにごめんなさい。」


「100回謝れ。」


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさ」


「うるさい、黙れ。」



「…………。」


「……。」




本当に反省しつつ、広瀬の手元を見ると…