~素顔~


朝、教室に入ると

「キャアーーーーーー!!」

という声が俺の耳にキ―ンと響いた。

思わず耳をふさぐ。


「珪くんきたぁ~~」
「カッコイィ~~」

気持ち悪いほど甘い声を出してこっちに歩いてきた。

俺は[男に媚びる女]というものが大嫌いだ。

たちまち俺の周りには女子の群れができた。

目障りだから早くどっかに行ってほしい。


「珪くぅん。お昼ぅ、一緒にぃ、食べよ❤」
「えぇ~、あたしと食べよぉよぉ~。珪くん❤」

誰がお前らなんかと食うか。

俺は女子たちをひたすら無視した。