~素顔~


女子の動きがピタッと止まった。

「悪ぃな仲田」

あ、笑ってくれた。

声もすごくやさしい。



「ありがとう」


素直にそんな言葉を言っていた。




すると女子の顔が一気に怖い顔に変わった。

「あんた、珪君に優しくされていい気になってんじゃないわよ」

酷く低い声が教室に響いた。

「そうよ。あんたみたいなコ珪君が相手するはずないじゃない」

一人の女子が私に近付いてきた。


「こんなブスな女」


左のほっぺに痛みがはしった。

同時に眼鏡が床に落ちる。


数秒して叩かれたのだとわかった。