「ねえ、あなたは何か願い事はないの?」 お嬢様は問う。 なぜ――…そんな疑問を持ちつつも私は考えた。 「私にとってはお嬢様に健康に暮らして頂くことがなによりの願いです」 「………」 お嬢様の眉間に深い皺が寄った。 「それだけ?」 「ええ、それだけです」