「光稀は起こしたら簡単に起きるからいいの♪
問題はアッチ」


「ははっ。
寝起き悪いもんなぁ」



あたしが先に光稀を起こしにきたのは、もう1人が手のかかるほどに起きないから。



「じゃあ行ってあげて。
僕は着替えたいし」


そう言ってパジャマを脱ぎ出す光稀。

細っこいけど、腹筋はしっかりとついてて……あたしは目を逸らして光稀の部屋を後にした。



そして、
もう1人の部屋へと向かう。


コンコン――――。


一応、ノックをしてみるけど
案の定、応答はない。