それなのに いくら家で待ったって凛は 戻って来なくて。 一気に不安が募った。 『夏稀?凛が居ないんだけど 知らない?』 何も知らない光稀が 首を傾げて俺に尋ねてきた。 だから俺は、あったこと全てを光稀に話したんだ。 そしたら 光稀は「何してんだよ!?」と 怒るわけもなく ただ真っ直ぐ、 凛がいる場所へ走って行ったんだ…… 俺はその場を動けずにいた。 動けなかったんだ。 あまりの光稀の適切な行動を見て…… 幼いくせに、 俺の方が兄なくせに、 光稀は いつだって俺より大人なんだ