双子に愛されて~中学編~




それなのに
いくら家で待ったって凛は
戻って来なくて。


一気に不安が募った。



『夏稀?凛が居ないんだけど
知らない?』



何も知らない光稀が
首を傾げて俺に尋ねてきた。


だから俺は、あったこと全てを光稀に話したんだ。


そしたら
光稀は「何してんだよ!?」と
怒るわけもなく

ただ真っ直ぐ、
凛がいる場所へ走って行ったんだ……




俺はその場を動けずにいた。


動けなかったんだ。



あまりの光稀の適切な行動を見て……


幼いくせに、


俺の方が兄なくせに、



光稀は
いつだって俺より大人なんだ