『夏稀~! どこまで行くの?』 『あとちょっと』 母さん達に黙って俺たちは 真っ暗な細長い道を歩いていた。 周りは田んぼばっかりで 街灯すらない…。 そして、 『凛、あれ見て』 『え……どこ?』 指差す方を 凛が見るのを確認すると いたずら好きだった俺は、 凛の困ったり怒ったりする顔が見たくて…… もと来た道を 走って帰ったんだ。 きっと顔を真っ赤にして 凛は俺を怒る。 ――――そう、思っていた。