「あたしが幽霊とか苦手なこと知ってワザと言うんでしょ!?」
「へぇー苦手なんだ。
知らなかった」
俺が棒読みなせいか、凛は
「嘘つき」と言って
俺の背中を叩いた。
ばーか、知ってるっつーの。
だって
――――凛を幽霊が苦手にしてしまったのは多分、俺だから。
ある夏の日に
光稀、凛と母さん達とで
花火をしていた時
『凛っ!
見せたいものがあるんだ』
『なになに?!』
『――――オバケがいる』
この頃の凛は
オバケとかの存在を
そこまで理解していなかったのだと思う。
だから
オバケと言っても驚かず
ニコニコしながら
俺に着いて来てくれてた。

