SIDE:凛



「早く起きないと遅刻だよ、光稀」


「ん……凛?」



朝。
あたし、東雲凛(13歳)がいるのは楢宮家。

そして、幼なじみの双子を
起こしに来るのは日課。


そして
肩をトントンとすると
潔く目を覚ますのは双子の弟、楢宮光稀(ミツキ)。


綺麗な黒髪と瞳は
女のあたしでも羨ましいと思ったり。


光稀に見とれてしまってるあたしに目を擦りながら光稀は言った。



「毎日ごめんね?
僕も朝が苦手で……ありがとう、凛」


そう言って
ふわりと柔らかく笑う光稀。