「好きだ。
すっげぇ好きだ、緋菜」
「……ッ」
抱き締めたまま
そう伝えれば俯いて何も言えなくなる緋菜。
顔なんて見なくてもわかる。
……きっと
真っ赤なんだろうな。
俺の幼なじみは
無自覚のうちに俺を傷つける、残酷な人。
思わせ振りばかりして
いつも俺を困らせる君。
冷たく突き離す君。
君の言葉たちに
何度も傷ついた――――。
けど。
「……緋菜?」
その時、
緋菜が答えるように
俺の背中に手を回し、抱き締め返してくれた。
どんなに悲しくなっても、
君の笑顔や
ちょっとした仕草には
代えられない。
やっぱり君は
俺の可愛い幼なじみ。
.......第3話 完