緋菜の顔も……

まともに見れない……



「…りょ-へ……」



「あ、俺トイレ行ってくる!」



あからさまに緋菜を避ける態度をして自分から離れた。



「緋菜、ごめんな?
いつも迷惑ばっかかけて。」



迷惑かけてばかりの俺だけど

緋菜が大好きで、大好きで

仕方ねーんだよ。



そして、俺は教室を出てから
緋菜たちに気づかれない程度に壁を殴った。


悲しさ…切なさ…

もどかしさ…



それをぶつけるように
強く、拳に込めた。




緋菜……

俺は好きすぎる余り、

君が憎くも思うよ―――。