グイッ―――。 あたしは左手首を捕まれていた。 ゆっくりと後ろを向くと 寂しそうな眼差しで、あたしを見つめる光稀がいた。 「……? 光稀、どうしたの?」 「今だけ傍にいて」 久しぶりに光稀が甘えてきた瞬間だった。 「凛ー、台所 行こーぜ」 光稀の声は夏稀には聞こえていないらしく、あたしに言ってきた。 「…ごめん。 あたし、光稀の傍にいる」 「はっ?」 そう言って睨まれたけど 光稀があたしの手首を掴んでるのを見て視線は あたしから光稀へ変わった。