否定した彼は、いきなりシャンプーするみたいに頭を両手でかきむしり、 「あああああ~っ!」 心にたまった何かを、我慢できずに丸ごとはき出すかのように叫んだ。 「か、奏……!?」 涙も止まって平静をだいぶ取り戻していた私は、間近で出された大声に、呆気にとられた。 「オマエ、どこ行きたい?」 「……えっ?」 「これからどこに行きたい?」 「……へっ?」 へっじゃねぇよ、と奏はメガネをくいっと直す。 これって、話題を変えるときの合図だ。