「オレは今『こいつ』と付き合ってる」 予想通りの発言があって、下を向いたままの私の肩に、奏の手が乗っかった。 (…………) 「放課後に毎日オレをつけてたから、とっくに知ってんだろうけどな」 「そ、そんな……。ホントなの?ふたりとも本気で付き合ってんの?」 うろたえたような、シズルの声がする。 「ああ。なんなら証拠見せようか?」 肩に乗せた手に、やや力が入った。 痛い。 引っぱられて、私は奏の胸にすっぽりおさまった。 だけど。 あれ。 なんでだろう。 嬉しく、ない。