「十分可愛いんだよ、マドカは。自覚がなさすぎるだけ」
「えぇ~っ。そうかなぁ……」
いつも、ミッチは私のことを「可愛い」といってくれるけど。
友達だから傷つけたくないからとか、怒らせたらあとが怖いとか(これはないかな?)、そういう理由での社交辞令みたいなことなんじゃ――。
「マイナスに考えるっていうか、異常にネガってるところはちょっとアレだけどね」
心の中を見透かしたような答えがふってきた。
「アレって……ネガティブなのは当たってるけど」
「まっ、千住奏レベルならともかく。心配いらないって。夢、叶ったね!おめでとう」
よしよし、とポンポン肩を叩くミッチ。
「千住奏、レベル……ねぇ」
実はそのレベルなんですけど――とは口が裂けてもいえず。
私は、まだ空いている奏の机を、じいっと見つめることしかできなかった。


