使わなかったんじゃなかった……。 彼も、使えなかっただけなんだ……。 待ち望んでた言葉は、とっくにあったんだ……。 炭酸の中に――。 「バレたんなら、もう遠慮しても仕方ねぇか」 「えっ……」 奏が、携帯電話をしまいながらいった。 「そんなに欲しかったんなら、やるよ」 涙の残った私に、顔を斜めにして近づいてくる。 「えっ……え……欲しいのは別にキスじゃ……ていうか、こんなとこで――」 「愛してる、円」