恋人 × 交換!? 【完】



「でも、当日に奏くんがしつこく頼みにきたから、根負けしちゃって……。ごめんね、楽しみにしてた日に」


「いえいえ。もう気にしてませんから……」


「うん。ありがとう」



(そっか。だから、当日に早退して、放課後に『こい』っていったんだ)



欠けていたピースが、カチカチっとはまっていく音が聞こえた気がした。



奏の不可解な行動には、ちゃんとした理由と背景があったんだ。



彼の不安な気持ちもうかがい知ることができて、私はまたひとつ、距離が近づいた気がした。



千ほども離れていた距離が、またほんの少しだけ。



「心配しなくても、奏くんには、指一本触れてないから。安心していいよ」



ねっ、というふうに目で合図を送ってくる。



「は、はい」