わなわなと震える勇次さんに、ミッチは「怖いよ~」と私のカーディガンで顔をさっと隠した。
(もぉ……さっきから、奏といいミッチといい。これ、「マント」でも「隠れ蓑」でもないんだけど……)
なんて思ってるうちに、ふたりがそばへくる。
「こないだはごめんね、円ちゃん」
「ごめんなさいね、まどかちゃん」
拓人さんと古都さんが、深く頭を下げる。
「い、いえいえ……いいんです。理由はうかがいましたし、奏のためだったわけだし。こちらこそ、なんか、すみません」
手を左右に振って、私も何度も小さく頭を下げ返す。
ふたりがほっとしたように顔を見合わせ、ミッチや勇次さんと挨拶をしたところで、奏が「年寄りの集まりじゃねぇんだから」とため息をついた。
「いいから回るぞ。混んでくる前に」
腕時計を指さして、ひとりで歩き出す。
だけど、クールな奏の手には、私にわたしそびれた可愛い風船。
私たちは、そんな彼の後ろ姿がやけにおかしくて、大笑いしたのだった。


